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生き残るプロダクトブランディングに隠された3つの理由

生き残るブランドには共通した要素があります。それは、新規性✖️体感性✖️時代性です。この3つの要素が重なり合った製品がヒットする要因であることを確信しました。

01.新規性

まずひとつ目の理由として『新規性』があります。他の製品には無い新しい価値の提供です。

新規性と聞くと、これから新しい技術を開発しようとか、まだ誰も取り入れていない技術を試してみようとか必要以上に、飛躍してしまう事があるのですが、これから新しい技術を開発していては、その技術が完成した頃には市場のニーズは変化し、顧客が本当に求めているものとのズレが生じてしまいます。市場競争をする上で競合を知るというのは非常に大切な事ですが、競合と全てのスペックを比較し競い合う大手企業的な戦い方では無く、中小企業やベンチャーの強みを生かすには、競合にはない突出した特徴をつけるという事です。

なので、新規性というのはそんなに目新しいもので無くて良いのです。前回の『ベンツとチュッパチャップス』の回でお伝えした通り、チュッパチャップス飴に棒を付けるという他の製品にはない新規性がありました。競合がまだ気づいていない顧客の潜在的なニーズを見つけ、それに答える為のアイディアを発見するという事です。

化粧業界のアイライナー市場で考えてみると、

ラブライナーという商品があります。アイライナーの市場は500円程度の安価な商品がある中で、1600円という高価格帯で今も尚、売れ続けています。ラブライナーの突出した特徴は何よりキラキラしたピンクゴールドの容器にあります。

百貨店などのデパートコスメでは、海外のブランドがキラキラした容器のアイライナーを発売していましたが、ドラックストアが販路の商品ではキラキラした容器が存在していませんでした。百貨店で高価格帯の商品は買えないけど、ドラックストアの低価格の商品では満足できないという顧客のニーズの隙間をいち早く目をつけ、製造工場との交渉や、技術促進に企業努力を進め、誰よりも早いタイミングで、商品をリリースした事がヒットの要因でした。

『✖️✖️✖️✖️にあるけど、ここには無い』

業界初という言葉もよく聞きますが、同じ業界であっても販売先や顧客属性など異なる場合は、細かくセグメントをする事で足りないものが見えてくる事があります。

かの有名はスティーブ・ジョブズはこの様に表現しています。

『美しい女性を口説こうと思ったとき、ライバルの男性がバラの花を10本贈ったら、あなたは負けずに15本贈るでしょうか?そう思った時点で君の負けです。ライバルが何をしようと関係ない。その女性が本当に何を望んでいるのかを、見極める事が重要なんだ』

「人生を変えるスティーブ・ジョブズスピーチ」国際文化研究室(編)、ゴマブックス

プロダクトアイディアの導き方

独自性と便益を兼ね備えたものが『プロダクトアイディア』となる

『たった一人の分析から事業は成長する実践顧客起点マーケティング』西口 一希 (著)

独自性とは、競合にはない特徴であり、唯一無ニの個性です。また、人の感覚でいうと、その人にとって「はじめて見た」「はじめて聞いた」「はじめて経験した」「はじめて体感した」そういった感覚に人は注目します。新規性の有無はこのような注目に値するかと置き換えてみると確認することが出来ます。

便益とは、ベネフィットやメリットいう言葉で置き換えられたりしますが、利用する顧客の悩みを解決したり、手間や労力の軽減につながったり、何かしらのメリットを与える事が出来るか、またそれは購買に結びつくものなのかを確認する事が重要になってきます。そしてのその二つの独自性と便益を兼ね備えたものが顧客の購買に値する「プロダクトアイディア」となります。

たった一人の分析から事業は成長する実践顧客起点マーケティング』西口 一希 (著)では、独自性がなく便益があるものは、『コモディティ』と呼んでいますが、市場の平均的な品質には達しているが、独自性がない為、他の商品に置き換わってしまうので、顧客の定着が悪くなってしまいます。また独自性があり便益がないものは人の目をひく為の『ギミック(仕掛け)』はあるがそれ自体に価値がないので一過性のエンターテーメントで終わってしまいます。また独自性もなく便益もないものは、それにまつわる時間や費用を無駄にしてしまうので、なかなか厳しい表現ではありますが、ゴミを産んでいるということで「環境破壊」となりえるのです。

02.体感性

2つ目の理由は、体感性です。体感性とは体感出来る効果にあります。エクスペリエンスというと今風ですね。サプリメントは2週間使用を続けないと効果が出ないと言われていますし、化粧品やヘアケアなどの美容用品の多くは長く使う事で持続した効果が得られるが通常ですが、ヒットする商品の共通点は買ったその日に効果が体感出来るという事です。

類型出荷数1,500万個 MANARAホットクレンジングゲル(マナラ化粧品)

https://www.manara.jp/display/product/CG004010.html

類型出荷数1,000万個 DETクリア ブライト&ピール ピーリングジェリー(明色化粧品)万個

https://www.meishoku.co.jp/det/

類型出荷数1,800万個 ベビーフットイージーパック(株式会社リベルタ)

https://babyfoot.co.jp/

マナラ化粧品のホットクレンジングはチューブからジェルを出し肌につけた瞬間からあたたかいので、『毛穴の開きを感じる』『肌への保湿力を感じる』と効果を体感する出来る事が出来ます。DETクリアはジェルを肌に馴染ませてゆくとジェルがポロポロとダマに変化してゆくので『角質がとれてゆく』『汚れが落ちている』と効果を体感する事が出来ますし。ベビーフットは、薬剤が入ったビニールの靴下のようなものをはいてしばらく時間をおくと、脱皮するかの勢いで足裏にあった角質がごっそり剥がれるので一目飄然で効果を体感することが出来ます。

お客様は何かしらの悩みを抱えて、その商品を購入しているのでいち早く効果を感じたいと思うのは当然で、情報に溢れた現代では効果をじっと待って使い続けるというユーザーは少数派なのです。その為に分かりやすい体感性というものが求められます。

そして、その尖った訴求ポイントは、販売促進物で効果を伝える際は、『あたたかい』『ポロポロ』『ごっそり』などの顧客にとって馴染みのある言葉で、誰でも分かるように表現し、その時にお客様が抱いた期待が、使ったその日に体感出来ると満足して、無くなったらまた買おうとリピートにつながるのです。

03.時代性

もうひとつは時代性です。時代性というのは、環境変化、トレンド、未来のありたい姿この3つの要素の中心にあります。

環境変化

環境変化というのは、当たり前の事ではありますが、雨がふれば傘が売れる、風が吹けば桶屋が儲かるという事です。今回のコロナ禍が分かりやすい変化かもしれません。多くの人は日常的にマスクを着用するようになりました。「マスクをする」とう新しい生活様式がうまれるとそれに伴った変化が生じます。女性だとマスクをする事で、リップグロスや口紅はマスクについてしまうので売り上げは落ちますし、その反面で口臭ケアの売り上げが伸びました。また、免疫力を高める為の食品、マヌカハニーや乳酸菌サプリなどがよく売れました。お家時間が増える事で、ホームケアができるボディークリームや入浴剤が売れたり、ゲームや電子書籍の需要が高まります。人に合わない時間が増えた事でダウンタイムを気にしなくて良いという事で、美容整形の売り上げが伸びたのは面白い変化でした。この様な事例はセールスブランディングでも共通の事が言えるかと思います。

トレンド

トレンドは、ファッション業界であればパリコレで発表された新規性は、数年後に様々な伝達を経て量産型の商品へと落とし込まれてゆきます。プラダを着た悪魔ではこんなシーンがあります。

“こんなの”ですって? あなたは家のクローゼットからその冴えない“ブルー”のセーターを選んだ。しかし、知らないでしょうけど、それはブルーじゃない。ターコイズでもラピスでもない、セルリアンよ」

「そのセルリアンは8人のデザイナーのコレクションに登場してから、ブームになった。そして、そのトレンドはデパート、安いカジュアル服にも反映され、あなたがバーゲンで買った。この“ブルー”は巨大市場と無数の労働の象徴よ。滑稽ね。“ファッションと無関係”とあなたが思ったセーターは、“こんなの”の山から私たちが選んだのよ」

https://www.mine-3m.com/mine/news/image?news_id=16630

化粧品業界でも同様の事が言えます。トレンドリーダーであるシャネルが新しくCCクリームやドライシャンプーを発売すると、その数年後にドラックストアでも販売される様になります。ヨーロッパやニューヨークで流行っているものが何年か遅れで日本で流行するのも、トレンドと言えるでしょう。最近では韓国や中国にトレンドリーダーが出現していたり、トレンドは常に変化し続けるのでアンテナを張って、時代の空気を読み続ける事が必要になります。

未来のありたい姿

その一方、プロダクトブランディングでは核となるコンセプトは、一時的な環境変化やトレンドに左右されない、ブレない軸を作る事が重要です。その為にはこれまでに培ってきたノウハウや歴史やスートーリーの見える化が必要です。更には未来のありたい姿など、長期的な視点で構築する必要があります。環境変化が生じた場合でもブランドにとって有益な活動なのかを判断した上で、マーケティングブランディング行う必要があります。コロナ禍だからと行って、化粧品ブランドが目先の利益を追いかけてマスクの販売を始めたらファンは不信感を頂いてしまいますよね。ブランドは時として我慢が必要なのです。